2023.07.05 (Wed)
【お笑い用語解説】プロレス
お笑いとプロレスは、構造的によく似ています。
プロレスは格闘技と違って、事前に演じる役割や流れ、結末が決まっています。
ヒールと呼ばれる悪役レスラーは、卑劣な戦法でベビーフェイス(善玉レスラー)を追い込みます。
一見すると、ヒールとベビーフェイスは憎み合っているように見ますが、双方とも役割を演じているに過ぎません。
お笑いは、プロレスと同じで対立構造によって成り立つものが少なくないのです。
例えば番組の中で、ある後輩がふいに暴露話をし、先輩が「お前、それほんまに言うたらあかん奴やぞ!」と顔を紅潮させ激怒する場面があったとします。
「それほんまに」という言葉を選びことで、緊迫感や臨場感が生まれます。
笑いは緊張後の緩和によって起こるので、緊迫感は重要です。
この先輩は、後輩に対して困惑や葛藤などのネガティブな感情を表現した方が、お笑い的に盛り上がるので、そうしているだけ。
心の中では「この話題、振ってもらえてめっちゃおいしい」と感謝しています。
お笑いはエンタメなので、演技的に見せている表の部分と心の中は全く別。このあたりがプロレスとよく似ています。
ちなみにお笑いの世界は、ケンドーコバヤシさんやハリウッドザコシショウさん、バッファロー吾郎、レイザーラモンなどガチでプロレスが好きな方はかなりおられます。
それも関連して「これはプロレスやから」といった符丁が、使われるようになった可能性は高いでしょう。